REPORTレポート

Vol.1 私が関わってきたまちづくり

2024.05.15

 私の専門は「まちづくり」です。まちづくりを一言でいうと、地域をより良くしようと思う人たちの活動のすべて。例えば「水戸の街を明るく元気にするための活動」。行政主導のものもあれば民間主導のものもあります。
 本業はまちづくりのコンサルタントで、主に公共団体のまちづくりに関わる企画や計画づくりに携わってきました。県や市町村の土地利用構想や地区整備計画、活性化計画などです。バブル崩壊後の平成初期頃までは、公共事業による景気の下支えもあり、まだまだ郊外における大規模開発が主流でしたが、その後はぐっと人々の暮らしに近い、例えばまちなかの再生などの仕事が増えてきました。どの仕事も茨城県や県内市町村の発展に欠かせない素晴らしいプロジェクトでした。それでも、行政主体の計画づくり、公共事業だけでは、なかなか街は元気になりません。地域の活性化のためには、民間サイドからも地域を刺激する必要があると感じ、平成15年5月にまちづくりのNPO「茨城の暮らしと景観を考える会」を立ち上げました。
 以後、重要文化財の積極的活用としては茨城県内で初めてのイベント「弘道館と雅楽に親しむ夕べ」や、水戸市におけるリノベーション事業の走りとなった「セントラルビル創業支援プロジェクト」、水戸で生まれ世界で5億人以上ものファンがいるオセロを活用した「水戸オセロプロジェクト」、水戸藩が舞台となってアジアの夜明けを演出した「桜田門外ノ変の映画化支援」、美しい白壁と門の整備を主体とした「水戸城址における歴史的景観づくり」、そして現在進行中の「水戸の中心市街地活性化(まちなか再生)」などを手掛けることになります。その間、水戸商工会議所とともに水戸市中心市街地活性化協議会を共同設置し、この協議会を通して水戸市の策定する中心市街地活性化基本計画に様々な事業を提案、さらにはまちづくり会社「まちみとラボ」を設立し、水戸のまちなかに特化したプロジェクトにも取り組んできました。
 これらの活動を、多様な年齢層、多様な立場の方々と取り組む中で、まちづくりについて改めて感じること、気付かされることがたくさんありました。来月からは、これまでのプロジェクトを紹介しながら、読者のみなさんがより、まちづくりに興味をもっていただけるようアレコレと綴っていきたいと思います。

この記事を書いた人

三上晴彦

1959年水戸市生まれ。水戸第一高等学校、筑波大学第一学群自然学類、筑波大学大学院修士課程環境科学研究科を経て、さまざまな街づくりに携わる。現在では株式会社まちみとラボ代表を務め、水戸の歴史と文化、芸術を活用して、水戸のまちに新たな価値を創造し続けている。

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