REPORTレポート

地元蔵人がすすめる銘酒【明利酒類株式会社】|ぷらっと・ぷらざ特集記事

2024.01.17

観光酒蔵『別春館』

 コロナ禍に代表から戻ってくるように言われ、奮起して稼業である明利酒類に。もう少し常陽銀行で頑張ろうと思っていましたが、急遽戻ってきたという感じです。今の総務部長という職は、銀行でやっていたことを上手く活かせる位置づけだと思っています。全体でみるという意味では、経理、人事はもちろん、この別春館も含まれていると思っていす。わかりやすく言うと、別春館は、水戸の観光酒蔵です。地元、県外、インバウンド、観光バスの受け入れをやっていまして、多いときは月に50台以上の観光バスがここ別春館にやってきます。特にインバウンドに力を入れていて私もジャパニーズ・イングリッシュながら英語で対応しています(笑)。別春館は酒造りの歴史資料館の要素が高いので、製造工程や歴史の話はもちろんですが、仕込み水の良さ(別春館の前には笠原水源の伏流水が合流している場所がありそこから井戸でくみ上げている)や、お米の重要性など素材についても話します。ご希望の方は、試飲も可能です。

「明利・小川酵母」と「M310酵母」

 かつて明利酒類の副社長であった小川知可良さんが、ある酵母を開発(酵母とは親細胞から娘細胞が芽を出して分裂することで増殖していく微生物のこと)。小川さんの苗字をとって小川酵母と命名)。さらに、小川酵母から派生したよりフルーティーな香りを醸し出すのがM310酵母です。これらの酵母は全国約240の酒蔵に販売されていて多くの銘酒づくりの礎となっています。弊社は全国的にも数が少ない研究室を持つ酒蔵でありまして、研究員が酵母の培養と酵母の選定の作業などを行いながら、特性の維持に奮闘しているところであります。

おすすめのお酒【副将軍 大吟醸】【百年梅酒 プレミアム】

 日本酒ですと「副将軍 大吟醸」、安定したフルーティーで華やかな香りが口の中で長く続きます。梅酒ですと「百年梅酒 プレミアム」。通常よりも熟成期間を長く(長いものだと5、6年位)し、さらに黒糖をプラスしています。深みがあって美味しいですよ。

おすすめのおつまみ【酒粕の炙り】

酒粕をカリカリになるまでオーブントースターなどで炙り、ワサビ醤油でいただく。酒粕の香りとお酒の香りが相まって、より芳醇な味わいとなります。

注目の取り組み【梅酒の香りのウイスキーづくり】

 今ウイスキーブームですが、弊社も60年前にウイスキーを作っていました。しかし工場が火事になってしまい、免許を返納せざるをえなかったんです。もう一度ウイスキーづくりをしたいという思いがありまして・・・。日本酒づくりの発酵技術、焼酎づくりの蒸留技術、そして梅酒のブレンドの技術、これらの技術を凝縮させたものがウイスキーづくり、まさに弊社の技術の集大成なのかなと思っています。この2月に「百年梅酒の樽熟成」を発売する予定になっていて(樽の香りのついた梅酒を作る)、そうすると、今度は梅酒の香りのついた樽ができる。梅酒樽でウイスキーを熟成させていくわけです。この梅酒の香りのウイスキーづくりに挑戦していきます!さらには、樽にも様々な樽、(シェリー樽・ワイン樽・バーボン樽・ラム樽・水楢樽など)がありますが、オリジナルの梅酒樽を加えることで、それらの良さを調合した、梅酒にまつわるストーリー性のある差別化された商品開発も視野に入れています。華やかな香りのウイスキーになるんじゃないかなと期待しています!先代の加藤高藏(現会長の祖父)の名前を冠した「TAKAZO MALT」ということで世に出していければと思っています。


明利酒類株式会社
住/水戸市元吉田町338

江戸時代末期の安政年間に、初代高藏氏が新潟県より酒造り杜氏として水戸に入り創業した加藤酒造店が前身であり、1950年(昭和25年)に事業を継承し、明利酒類株式会社として創立。
 


この記事を書いた人

ぷらっと・ぷらざ編集部

地域情報誌「ぷらっと・ぷらざ」編集部です。

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